■バーク栽培の特徴
■胡蝶蘭は着生蘭
胡蝶蘭は本来、熱帯地方の木の枝や幹に付着(着生)し、樹木の表面に根を絡ませて自生しています。しかし、栽培される胡蝶蘭の培地には一般的にミズゴケが使われています。ミズゴケは保水力が強い点では栽培上優れた培地といえますが、逆に根の張りを弱め、気温や温度条件によっては根腐れを引き起こしやすいとゆう問題があります。(根を甘やかし過ぎるともいえます。)さらにミズゴケ自体も植物であり、生物資源の乱用が懸念されています。
■自然に近い培地であるバーク
私たちは数年前から、胡蝶蘭の栽培にバークを取り入れてきました。バークとは、樹木の表皮を砕いたもので、通気性・吸水性・保水性・保肥性に優れているとゆう、すばらしい特徴があります。本来、着生蘭であった胡蝶蘭にとってバーク栽培は、より自然に近い環境といえます。実際にバーク栽培の胡蝶蘭は、株の成長が旺盛になり、葉が力強く立ち上がり、花が大きくなります。私たちは独自の技術でバークと緩効性肥料を絶妙なバランスで混合し植え替えを行うことで、高品質の胡蝶蘭の栽培に成功しました。
管理のポイント
バーク栽培の特性をご理解のうえで、季節に合わせて置き場所、水の与え方、肥料の与え方に注意して下さい。上手く管理できれば花を長く咲かせ続けてくれることはもちろん、2回目の花も楽しめます。
置き場所
■理想の気温は15℃〜25℃です。
【春〜秋】・・・レースのカーテンを通した位の光線に当てましょう。エアコンの冷風が直接当たると花もちが悪くなるので注意して下さい。 直射日光は葉やけの原因になるので厳禁です。 【冬】・・・陽当たりの良い場所を選び、なるべく暖かい部屋に置きましょう。但し、エアコンやファンヒーターの風が直接当たらない様にしましょう。窓際は夜間冷えやすいので注意です。
水の与え方
■水やりは約1週間に1回です。
水の温度は冷たすぎないように注意してください。表面のバークが乾いた頃が水やりのタイミングです。コップ一杯程度の水を、それぞれの株元にゆっくりかけてください。水苔とは異なりバークでは1株ごとにポリポットで寄せ植えされているので、3本立ち(3株植)であれば3株に確実に水を掛けて下さい。水の与えすぎは根腐れの原因になります、十分に乾いていることを確認してからたっぷりとあげてください。
■ラッピングは早めに外しましょう。 鉢にラッピングがしてあるときにはできれば外してください。当園ではシンプルな白鉢を使用していますので、ラッピングなしでもお部屋に調和します。バーク栽培は水苔栽培よりも鉢底に水が溜まりやすくなりますから、受け皿を使用し、余分な水は捨て、受け皿を乾いた状態に保つよう心掛けて下さい。
肥料の与え方
■花が咲き終わった頃から与えて下さい。
バークの中には固形の肥料が十分含まれていますので、購入から3ヶ月は肥料を与えないで下さい。その後は月に1回水やり代わりに液肥(ハイポネクスなど)を、2,000倍に薄めて与えてください。また、気温の低い冬季には株が育たないため、肥料は不要です。